「運動は健康にいい」
誰もが漠然とは知っていることですが、具体的にどのように健康に良いのか、しっかりご存知の方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、運動がカラダにもたらす健康効果を数値やデータなども交えながらご紹介したいと思います。

運動は、生活習慣病を予防する

厚生労働省の国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針である「健康日本21」には、よく運動をしている人は、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、結腸がんなどの生活習慣病や、骨粗鬆症の罹患率や死亡率が低いことが示されています。以下が具体的な数値の一部です。

・冠動脈疾患
身体活動量週2000kcal未満の人の、週2000kcal以上の人に対する冠動脈疾患発症の相対危険度は1.6(他の危険因子調整後)

強い運動(7.5kcal/分以上)をしない人の、強い運動をする人に対する相対危険度は2.2。

・高血圧症
身体活動量週2000kcal未満の人の、週2000kcal以上の人に対する高血圧発症の相対危険度は1.3(年齢調整後)

・糖尿病
少なくとも毎週1回運動する(汗が出るくらい長いもの)人の、それ未満の人に対する相対危険度は0.70(他の危険因子調整)。

また運動は生活習慣病だけではなく、メンタルヘルスや生活の質の向上にも運動は効果をもたらすとされています。特に高齢者については、歩くことなど日常生活における身体活動が、寝たきりや死亡を減少させる効果があるそうです。

運動不足の日本人

では、日本人の運動に対する取り組みは、現状どのようになっているのでしょう。

平成8年保健福祉動向調査によると、「日頃から日常生活の中で、健康の維持・増進のために意識的に体を動かすなどの運動をしている」と答えた人は、男性で52.6%、女性で52.8%となっており、半数以上の人が運動の大切さを認識し、実際に行動を起こしていることがわかります。

ところが、十分な運動をしているかというと、そうとは言えないようです。「国民栄養調査」では、運動習慣者を「週2回以上、1回30分以上、1年以上、運動をしている者」としていますが、この運動習慣者に該当する人は、平成9年度の調査において、男性で28.6%、女性で24.6%。意識や意欲に実際の運動量が伴っていないことが明らかになっています。

どんな運動をすればいい?

では、どのような運動をするのが望ましいのでしょうか。生活習慣病の予防などの効果は、身体活動量(「身体活動の強さ」×「行った時間」の合計)の増加に従って上昇するとされています。

一般的に、息が少し弾むくらいの「中程度」の運動が好ましいとされていますが、あまり運動経験のない人が急に運動を始めると、心臓事故や整形外科的障害を起こすリスクがあります。自分のカラダと相談しながら、無理なく始められる運動が良いでしょう。

最初に始める運動としては、やはりウォーキングがおすすめです。目標として頂きたいのは、1日1万歩。平成9年度国民栄養調査によると、日本人の1日平均の歩数は、男性8,202歩、女性7,282歩。1日1万歩以上歩いている人は、男性29.2%、女性21.8%となっています。

エレベーターを使わずに階段を登ってみたり、通勤時にひと駅前で降りて歩いてみたり。ちょっと意識することで、簡単に歩数を増やすことはできるはずです。ぜひ1万歩を目指してみましょう。

またウォーキングなどの運動に限らず、家事などの日常生活における活動や、余暇に行う趣味など、すべての身体活動は健康に欠かせない運動なのだそうです。

何をするにも面倒くさがらずに、能動的にカラダを動かす機会を増やすことが、健康を保つ秘訣です。そのような意味では、毎日を一生懸命に生きることこそ、究極の予防医療と言えるのかもしれません。カラダを動かすことを楽しんで、心身ともに充実した人生を送りましょう。

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