厚生労働省「患者調査」の平成26年調査によると、高血圧性疾患の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、1,010万800人に上ります。

高血圧は喫煙と並び、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。健やかな毎日を送るためには、高血圧を予防することが必要不可欠になります。そこで今回は、高血圧を正しく理解していただくため、基礎知識や予防法などをご紹介したいと思います。

高血圧とは

高血圧の診断基準は、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上の場合となっています。

高血圧は、血管の中を流れる血液の圧力が強くなり続けている状態です。進行すると血管壁の弾力性やしなやかさが失われ、血管壁に傷が生じて、その傷にLDLコレステロールなどが沈着してしまうと、動脈硬化が促進されます。

動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞・心不全などの心疾患や、脳梗塞・脳出血などの脳血管障害を引き起こす恐れがあります。

高血圧の95%は原因を特定できない本態性高血圧です。その背景には遺伝的体質に塩分の過剰摂取・肥満・飲酒・その他の生活習慣要因など複合的に重なっていると考えられ、メタボリックシンドロームとも深い関係があります。残りの5%は特定の病気が原因となって引き起こされる高血圧で、二次性高血圧と呼ばれます。また、睡眠時無呼吸症候群でも高血圧を合併します。

日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年〜中年の男性を中心に内臓肥満を伴う高血圧が増えています。このようなタイプの高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなります。やがて血清脂質や血糖・尿酸・肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行していきます。

高血圧の予防

高血圧を予防するには、食事や運動などの生活習慣の改善が必要です。ここで有効な手段をいくつか挙げてみたいと思います。

・塩分を摂りすぎない
1日の塩分摂取量は、7~10g程度が目安です。塩分を摂りすぎると、体内に水分が蓄積し、血液量を増加させて、血圧が上昇します。醤油・ソースなどの調味料は極力控え、薄味を心がけましょう。ラーメンなどの塩類の汁を飲み干してしまうと、それだけで10g近い塩分をとることになってしまうので、特に気をつけましょう。

・バランスのとれた食生活を心がける
野菜や果物は体内の余分なナトリウム(塩分)を排泄するカリウムを含んでいるので、積極的にとりましょう。コレステロールや飽和脂肪酸を控え、魚を食べるようにしましょう。
また血管を丈夫にするために、たんぱく質・カルシウムを積極的に摂取することも大切です。

・適正な体重を維持する
肥満は高血圧の原因となります。BMI(体格指数):[体重(kg)]÷[身長(m)2乗]が25未満を目標に減量しましょう。

・定期的に体を動かす
有酸素運動などで体を動かすことは、血圧を下げる効果があるだけでなく、肥満の防止・解消にも効果的です。

・お酒は適度に楽しむ
多量飲酒は血圧を上昇させ、脳卒中や心疾患を引き起こします。また肝臓病やがんの原因にもなりますので、飲みすぎには気をつけましょう。

・禁煙する
喫煙をすると一時的に血圧が上がるばかりではなく、虚血性心疾患や脳卒中の危険性を高めます。禁煙することはもちろんですが、受動喫煙にも気をつけましょう。

・ストレスをためない
休養を十分にとり、疲れを残さないようにしましょう。また、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。

・急激な温度差に気をつける
暖かいところから急に寒いところへいくと、血管が収縮して血圧が上がります。特に病院で治療を受けている方などは、室内と外気の差がなるべく少なくなるよう温度調節をしましょう。また、入浴の際は熱い湯を避け、長湯をしないようにしましょう。

高血圧が厄介なのは、自覚症状がほとんどないことです。そのため、毎年検診を受けることが極めて重要となります。また家庭用血圧器を使って、毎朝自宅で血圧を測ることもおすすめです。常に血圧に注意を払い、生活習慣を気を配りながら、健やかで豊かな人生を歩みましょう。

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