日本人の平均寿命が延び、高齢化が進むにつれクローズアップされてきた疾患が、骨粗鬆症です。厚生労働省の国民生活基礎調査では、高齢者が寝たきりになる理由として、脳卒中、認知症、高齢による衰弱などに続き、骨折・転倒が挙げられています。この骨折には、骨粗鬆症が大きく関わっています。骨粗鬆症は、高齢者のQOLを著しく損ねる原因になっているのです。

そんなリスクから身を守るためには、まず骨粗鬆症についての理解を深めなければなりません。そこで今回は、骨粗鬆症のメカニズムや原因、その予防法をご紹介したいと思います。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などを理由に骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。

骨は骨芽細胞によって骨形成され、同時に破骨細胞によって骨吸収されるという常に新しく作り直され続ける新陳代謝(リモデリング)を繰り返しています。

骨吸収と新たな骨形成のバランスが保たれているのが正常な状態ですが、これが崩れて骨吸収が上回った状態が続いてしまうと、骨量が減少していきます。結果、骨がもろくなり、折れやすくなってしまうのです。

最初のうち自覚症状はありませんが、腰や背中に痛みが生じ、医師の診察を受けることで見つかります。

骨粗鬆症の原因

骨粗鬆症の原因は、食事面と運動面の大きく2つが考えられます。

食事面では、骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足や、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどのビタミンがバランスよく摂取できていないことが挙げられます。

また、運動不足も骨粗鬆症の原因となります。適度な運動によって骨に一定以上の負荷をかけなければ、骨形成におけるカルシウムの利用効率が悪くなってしまうためです。

高齢女性の発症リスクが高い傾向がありますが、これは閉経後、骨芽細胞を活発にする女性ホルモンである「エストロゲン」が激減してしまうためです。

ただし、若い人でも栄養状態や運動不足、ステロイド剤(グルココルチコイド剤)などの影響で骨粗鬆症になる場合もあります。長年の生活習慣が原因となることから、生活習慣病のひとつと考えられています。

骨粗鬆症の予防

骨粗鬆症を予防するための柱となるのは、食事と運動です。

食事においてポイントとなるのは、骨の主成分であるカルシウムの摂取です。成人の場合、1日あたりおよそ600〜800mg以上の摂取が推奨されます。ただし、カルシウムばかりを摂取すればよいという訳ではありません。

摂取したカルシウムを効率よく吸収するには、ビタミンDやマグネシウム・リン・たんぱく質など、さまざまな栄養素が必要です。そのためには、1日3回のバランスのとれた食事に加え、牛乳・乳製品の摂取が必要になります。

バランスのとれた食事の条件は、主食(ごはん・パン・麺)、副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理)、主菜(肉・魚・卵・大豆料理)が揃っていることです。

カルシウムが不足しないよう、副菜で緑黄色野菜や海藻類を、主催で大豆料理をとるようにすることポイントとなります。また、牛乳または乳製品も忘れずに摂りましょう。牛乳の場合、1日あたり200g=約200mlが目安となります。

運動では、ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨に刺激が加わる運動が推奨されます。骨はその長軸に対して物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり、強さが増すといわれているからです。

ウォーキングの場合、軽いダンベルを持って行うと負荷が増すため、より効果的となります。この運動はパワーウォーキングと呼ばれます。

また骨は通常、腱を介して筋肉へとつながっているため、筋力トレーニングによって骨に直接刺激を与えることも効果的です。ウエイトマシンなどを使って筋力トレーニングを行うと、重りを持ち上げるたびに筋肉は強く収縮し、骨に刺激が伝わります。さらに筋力トレーニングは、ウォーキングでは強化できない上半身の骨も鍛えることができます。また、自分の弱い部位を選択的にトレーニングすることができるため、効果的です。

まとめ

骨粗鬆症の要因には、閉経の時期や痩せ型、家族歴などの遺伝的なものも挙げられますが、生活習慣による要因はあなたの心がけひとつで取り除けます。

バランスの取れた食事や適度な運動を基本としながら、アルコールやコーヒーの多飲、喫煙をさけること、また日光浴を行うことなどに取り組みましょう。

毎日の生活を改めて見直してみることが、QOLを損なわず、楽しく歳を重ねていくカギです。

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