厚生労働省の「平成27年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、日本人の死因の第1位はがん。全死亡者に占める割合は28.7%であり、全死亡者のおよそ3.5人に1人が、がんで命を落としていることになります。

実は昭和56年以降、日本人の死因の第1位はずっとがんなのです。これだけ多くの人ががんで亡くなっているのにもかかわらず、がんについて正しい知識を持っている方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、がんについての基礎知識をご紹介したいと思います。

がんとは?

そもそもがんとは、一体何なのでしょうか?

私たちの体は、約60兆個の細胞からできているといわれています。これらの細胞は、欠ければ再生あるいは補給され、過剰に増え過ぎることもなく、全体の調和を保ち続けています。これは、細胞が正常細胞だからです。

ところがこの正常細胞が,何らかの原因で変化してしまう場合があります。これががん細胞です。がん細胞は、身体全体の調和を無視して無秩序に増殖し続け、周囲の正常な組織に侵入してその組織を壊し、血管やリンパ管を通って身体のあちこちへ広がってしまいます。

正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん奪ってしまい、体を衰弱させ、最終的には,人を死に至らしめてしまうのです。

がん細胞の発生

では、正常な細胞はどのようにしてがん細胞になってしまうのでしょうか。
がん細胞は、正常な細胞の中にある遺伝子に、なんらかの原因で2個から10個程度の傷がつくことにより発生します。これらの遺伝子の傷は、一度に発生するわけではなく、長い期間をかけて徐々に発生するといわれています。

また、ほとんどのがん細胞は,ひとつの「体細胞」に由来します。この中に「がん遺伝子」や「がん抑制遺伝子」が存在するのです。

「がん遺伝子」は、刺激されたり傷がついて遺伝子の動きが過剰になったり異常になったりすると,正常細胞をがん細胞に変えてしまいます。一方,「がん抑制遺伝子」は,正常細胞ががん化するのを抑える役割がありますが,障害を受けると抑制する働きがなくなったり弱くなったりして,細胞をがん化させてしまうのです。

がんの種類

がんは造血器でできるもの、上皮細胞でできる「癌」、非上皮性細胞からなる「肉腫」に大きく分類されます。まれに、1つの腫瘍の中に両者が混在する「癌肉腫」というものも発生します。肉腫に比べ癌腫の方が圧倒的に多く発生します。

他に上皮細胞と間質細胞を境界している膜(基底膜)を破って浸潤(しんじゅん)していないがん(腫瘍、癌)である「上皮内新生物」というものもあります。それぞれの代表的ながんを見てみましょう。

・造血器でできるもの
白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫など

・上皮細胞でできる「癌」
肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、頭頸部のがん(喉頭がん、咽頭がん、舌がん等)など

・非上皮性細胞からなる「肉腫」
骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫など

・上皮内新生物
子宮頸部上皮内腫瘍 など

がんの発生要因

では、一体どのようなものが、がんの発生要因になるのでしょうか。

がんの発生要因にはさまざまなものがあり、喫煙、飲酒、塩・塩蔵食品、貯蔵肉・赤身肉、肥満、ウイルス・細菌・寄生虫、大気汚染、ホルモン、医療薬の副作用、放射線、遺伝などが挙げられます。

特に大きなリスクとなるのは、やはり喫煙です。たばこの煙には約60種類の発がん性化学物質が含まれており、たばこの煙の経路となる喉、気管支、肺などの呼吸器系の臓器だけでなく、いくつかの発がん物質は血流に乗って運ばれ、あらゆる臓器に影響が及ぶとされています。

「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究>エビデンスの評価」によると、喫煙は全部位および胃と肺のがんは確実、肝臓がんはほぼ確実にリスクを上げると判定されています。

がんを予防するには?

がんの要因がわかれば、それを避けることが、すなわちがんの予防につながるわけです。タバコを吸わないことはもちろんですが、やはり重要なカギを握るのは食生活でしょう。

リスクになるとされる塩・塩蔵食品、貯蔵肉・赤身肉などは控え、逆にリスクを抑えるとされている野菜や果物は積極的に摂りましょう。

また、肥満を避けるために、カロリーの摂りすぎなどにも注意をしましょう。がんの予防は、あなたの心がけ次第で始められるのです。

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