消化器疾患とは?

食物を摂取する、摂取した食物を栄養素に分解する(消化)、栄養素を血液中に吸収する、消化しにくい部分を体から排泄するという働きを担う器官を「消化器系」といいます。

消化器系には、口、のど、食道、胃、小腸、大腸、直腸、肛門と連続する一本の管腔臓器である「消化管」に加え、その外側に位置している膵臓、肝臓、胆嚢などが含まれます。これらの消化器系に起こる疾患を「消化器疾患」といいます。

「消化器疾患」が起きると、腹痛や嘔気、食欲不振、下痢、便秘など、お腹にさまざまな症状がみられます。

消化器疾患の種類

ここで、代表的な消化器疾患を見ていきましょう。

食道がん

食道は、喉(咽頭)と胃の間をつなぐ、長さ25cm、太さ2~3cm、厚さ4mmほどの管状の臓器で、口から胃へ食べ物を送る働きをしています。

食道がんは、食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生します。日本では、食道がんの90%以上が扁平上皮です。

食道の内面を覆っている粘膜から発生したがんは、大きくなると粘膜下層に広がり、その下の筋層に入り込みます。さらに大きくなると、食道の壁を貫いて食道の外まで広がっていきます。

初期には自覚症状がないことが多いですが、進行するにつれ、食道がしみるような感覚、食物がつかえるような感覚、胸痛・背部痛、体重減少、咳、声のかすれなどが起こるようになります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の内側(粘膜)は、強い酸性の胃酸や消化酵素を含む胃液にさらされているため、胃液によって粘膜が傷つけられるのを防ぐ仕組みを持っています。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは、ピロリ菌、非ステロイド性抗炎症薬などにより、この防御機構が傷害されて粘膜が傷つき、そこが胃液の攻撃にさらされることで、胃や十二指腸の粘膜や組織の一部がなくなる疾患です。

これにより、胃部の痛みや不快な症状を感じたり、さらにその部分から出血して吐血や下血、穿孔(胃・十二指腸に穴があくこと)、腹膜炎などの症状が起こったりします。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。特徴的な症状として、下血を伴うケースもある下痢と頻繁な腹痛があります。

病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが原因と考えられていますが、まだはっきりとはわかっていません。

膵臓がん

膵臓は洋ナシを横にしたような形をしていますが、その細長い膵臓を貫いて網の目のように走る細い管のことを膵管といいます。

膵臓にできるがんの90%以上は、膵管の細胞にできます。これを膵管がんといい、膵臓がんは、通常この膵管がんのことを指します。

早期の膵臓がんに特徴的な症状はありませんが、胃や背中が重苦しい、何となくおなかの調子がよくない、食欲がないなど、漠然とした不調を感じる場合もあります。このほかに、黄疸が出たり、糖尿病を発症したりすることもあります。

消化器疾患を予防するには?

消化器疾患を予防するには、消化器疾患のリスクを高める生活習慣を避けることが大切です。さまざまながんのリスクとなる喫煙をしないのはもちろんのこと、食道がん・肝臓がん・大腸がんなどのリスクとなる飲酒は適量を心がけましょう。

また、胃がんのリスクを高めるとされる塩分や、大腸がんのリスクを高めるとされるハム・ソーセージ・ベーコンや赤肉などは、摂りすぎに注意しましょう。

一方、消化器疾患のリスクを下げる生活習慣としては、大腸(結腸)がんなどのリスクを減らすジョギングなどの軽い運動や、食道がん・胃がん・大腸がんなどのリスク減が期待できる野菜や果物などの積極的な摂取があります。この機会に生活習慣の見直しから予防医療に取り組み、末長く健やかな毎日を送りませんか。

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