脳血管疾患とは?

「脳血管疾患」とは、脳の血管のトラブルによって脳細胞が破壊される疾患の総称です。

厚生労働省の「平成27年 人口動態統計の概況」によると、脳血管疾患による死亡者数は11万1875人。全死亡数のうちの8.7パーセントを占め、悪性新生物(がん)、心疾患、肺炎に続く4番目に多い死因となっています。

脳血管疾患は、頭痛・めまい・舌のもつれ・手足のしびれなどの前兆があることもありますが、突然発症するケースが多いことが特徴です。また、発症してしまうと処置は一刻を争いますので、大変恐ろしい疾患だということがいえます。

脳血管疾患の種類

脳血管疾患は、脳の血管が破れることによって起こる「出血性脳血管疾患」と、脳の血管が詰まることによって起こる「虚血性脳血管疾患」の2つに分類され、「脳卒中」とも呼ばれています。

ここで、それぞれの代表的な疾患を見ていきましょう。

出血性脳血管疾患

・脳出血
脳の奥深くの細い血管に加齢や高血圧によって小さなこぶができ、これが破裂して出血が起こる疾患を「脳出血」といいます。脳から出血した血液は固まって血腫になります。頭のなかで血腫が大きくなると、頭の中の圧力が高まったり、血腫がまわりの正常な脳を押したりするので、脳の働きが悪くなります。頭痛、運動麻痺や言葉の障害、意識が悪くなるなど、さまざまな症状が起こります。

症状の程度もさまざまで、軽いしびれ感だけの場合から、一生手足の障害が残ってしまう場合、さらには命の危険につながる場合もあります。

・くも膜下出血
「くも膜下出血」とは、脳の表面を覆う膜のひとつである「くも膜」の下に出血が起こることをいいます。原因は、脳の血管の膨らみである「脳動脈瘤」の破裂によることがほとんどです。くも膜と脳との間(くも膜下)には、脳の栄養血管である動脈が走り、保護液でもある脳脊髄液が循環しています。

脳の表面(くも膜下)には比較的太い栄養血管があり、その一部は脳を貫いて内部へ栄養を送る働きを担っています。このくも膜と脳との空間(くも膜下)にはり巡らされた血管が切れると、くも膜下出血が起こります。その結果、くも膜下に流れている脳脊髄液に血液が混ざってしまうのです。

虚血性脳血管疾患

・脳梗塞
脳に梗塞が起きる疾患を、「脳梗塞」といいます。梗塞とは、ある部分で血液の流れが止まり、必要な血液を得られない箇所の細胞が死んでしまうことです。

脳梗塞の原因は、大きく二つに分かれます。ひとつは脳の血管自体に起こる動脈硬化(脳血栓症)です。脳の動脈硬化が進んで血管の内部が狭くなり、血液の流れが悪い部分があると、ちょっとした血圧の変化などをきっかけに、その部分に血栓(血の塊)ができて、血液の流れを完全に塞いでしまうことがあるのです。

もうひとつは、脳自体でなく心臓に起因します。その多くは、不整脈である心房細動の結果、心臓の中にできた小さな塞栓が血液の流れに乗って脳の血管に運ばれ、血流を塞いでしまう(脳塞栓症)というものです。

脳梗塞の発作が起きると、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないといった症状が現れ、時間とともに悪化していきます。

脳血管疾患を予防するには

脳血管疾患は、命に関わる疾患であるのはもちろんのこと、たとえ一命を取りとめたとしても、後遺症が残ってしまう可能性の高い疾患です。手足の麻痺をはじめ、言語障害や視覚障害、感覚障害などは、QOL(生活の質)を大きく損ねることにつながってしまいます。

そのような観点からも、脳血管疾患は予防が何よりも大切です。脳血管疾患のリスクとなる、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームにならないよう、生活習慣を見直すことが予防の第一歩といえるでしょう。

食生活は、塩分・脂肪・糖分を控えめにすることがポイント。野菜や果物・大豆製品を意識的に摂ることも心がけましょう。また、ウォーキングなどの有酸素性運動で血流をよくすることも効果的です。予防医療に積極的に取り組み、健康寿命の長い人生を送りましょう。

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