生活習慣病とは?

生活習慣病とはその名の通り、食事・運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が発症や進行に深く関与する疾患の総称です。遺伝的要素はごくわずかであると言われています。
以前は加齢によって発症するものと考えられていたため「成人病」と呼ばれていました。しかし、生活習慣の乱れによって成人でなくても発症する可能性があること、また成人であっても生活習慣の改善により予防可能であることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称しました。
代表的な生活習慣病として、日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、さらに脳血管疾患・心疾患の危険因子となる糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満などが挙げられます。
2014年の厚生労働省の「患者調査」によると、日本における糖尿病の患者数は約950万人、高血圧の患者数は約1,010万人、脂質異常の症患者数は約206万人とされています。推計ではその何倍もの患者がいるとされており、中高年の方の多くが、何らかの生活習慣病にかかっている可能性があると言っても過言ではありません。

生活習慣病は、「サイレントキラー」

生活習慣病の恐ろしいところは、はじめは自覚症状がほとんどなく、いつの間にか進行し、ある日突然、命に関わる重篤な症状をきたすことです。自覚症状が現れた段階ではすでに治療が極めて困難である場合が多いことから、「サイレントキラー」と呼ばれています。
高血糖、肥満、高血圧などを放置すると、糖尿病、肥満症、高脂血症、高血圧症へ進展し、やがて心筋梗塞や脳卒中などを発症して死に至る、あるいは要介護の状態に陥る−−。想像するだけでも恐ろしいシナリオです。
ちなみに、最近よく耳にするメタボリックシンドロームとは、内臓肥満(内臓脂肪の蓄積)があり、血圧、脂質値、血糖値のうち2つ以上に異常を認める状態のこと。「メタボ体型」などと笑いの種になることもありますが、こちらも生活習慣病と同じく深刻な疾患のリスクとなるため、決して楽観視することはできません。

大切なのは一次予防

生活習慣病の予防対策には、健康を増進し病気の発症自体を予防する「一次予防」、病気を早期に発見・治療する「二次予防」、治療により進行を防ぎ回復を目指す「三次予防」があります。
具体的には、バランスの取れた食事、運動不足の解消、ストレスケアなどの健康的な生活習慣づくりや予防接種などが一次予防、健康診断や人間ドックの受診による疾患の早期発見・早期治療が二次予防、疾患の治療の過程において保健指導やリハビリテーション等による機能回復を図るなど、社会復帰を支援し、再発を予防することが三次予防とされています。
これまでは、疾患を早期発見・早期治療する二次予防が中心でしたが、現在ではQOLを維持するという観点から、疾患の発症前に生活習慣を改善する一次予防の重要性が叫ばれるようになりました。
2000年には厚生労働省により、生活習慣病の一次予防に重点を置いた「健康日本21」が策定され、9分野(食生活・栄養/身体活動・運動/休養・心の健康づくり/喫煙/飲酒/歯の健康/糖尿病/循環器病/がん)、70項目からなる具体的な数値目標が設定されました。
また2008年には新たにメタボリックシンドロームとその予備群を2015年までに25%減少する目標が追加され、より強力な生活習慣病撲滅対策として特定健診・特定保健指導が進められています。

簡単なことから、生活習慣病の予防は始められる

あなたは自分の生活習慣に、自信がありますか。塩辛いものや脂っこいものが好きな方、運動不足の方、睡眠不足の方、仕事などのストレスの多い方、お酒をたくさん飲む方、タバコを吸う方などは要注意です。いま健康だから、自覚症状がないからといって油断はできません。生活習慣病は、あなたの知らないうちに体を蝕んでいきます。
しかし、生活習慣病はあなた次第で予防できる病でもあります。いきなりマクロビオティックを始めたり、毎日ジムに通ったりすることは難しいかもしれませんが、もっと簡単に始められることはたくさんあります。ファーストフードやインスタント食品を控えてみたり、エレベーターを使わず階段を使うよう心がけてみたり。あまり気負わずに、自分にできることから生活習慣病の予防を始めてみませんか。

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